親父に割られたスマホを治した女性

昨日、久しぶりに実家に帰ったんです。彦根を出て10年、やっと仕事が落ち着いて、ゆっくり親孝行できるなーって思ってた矢先。

「お前のスマホ、ちょっと貸してくれ」

父親がそう言うや否や、スマホを床に落として、画面バキバキ。

「あー、すまん…」

いつもの父らしい不器用な謝り方。怒る気になれず、「まあ、いいよ」って言ったものの、明日までには直さないと困る。けど、都会と違って、彦根じゃ修理屋なんてスマホで探してあるのかな…。

そう思っていると、母が「この前テレビで見たんだけど、駅前に腕のいい修理屋さんがあるらしいわよ」と教えてくれた。半信半疑だったけど、ダメ元で行ってみることに。

古びた商店街の奥、小さな看板を見つけて店に入ると、意外と若い女性が出迎えてくれた。

「これは酷いですねぇ。でも大丈夫、明日の朝までには直せますよ」

その自信たっぷりな態度に、なんだか安心感を覚えた。

翌朝、約束通り修理が完了。画面は新品同様、しかも想像以上に安い修理代。感動して、つい「すごいですね!」って声が出た。

「いえいえ、彦根の街を支えるのも私たちの仕事ですから」

その言葉に、妙に胸が熱くなった。10年ぶりの帰省で、思わぬ形で地元の温かさに触れた気がして。

帰りの新幹線で、「彦根でスマホの買取も意外とできるのかもな」なんて考えてしまいました。次は画面割れじゃなくて、ゆっくり街を歩いてみたいな。そんな風に思えた週末でした。